伏見稲荷大社 (京都府) の見どころとアクセス方法
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伏見稲荷大社は、京都市伏見区にある神社です。稲荷大社はお稲荷さんの名前で親しまれており、伏見稲荷大社は全国に30,000社あるお稲荷さんの総本宮です。願い事の感謝のしるしとして奉納された約1万基の朱色の鳥居が稲荷山の参道に並んでいます。特に隙間なく並んだ千本鳥居が有名で、海外の方が日本で訪れてみたい場所として常に上位になっています。五穀豊穣の神様として信仰されてきましたが、現在は商売繁昌、産業興隆、家内安全、交通安全、芸能上達の守護神としても信仰されています。
この記事では海外および国内からの旅行者の方向けに、伏見稲荷大社の見どころとアクセス方法についてご紹介します。
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伏見稲荷大社の見どころ
伏見稲荷大社の見どころについてご紹介します。
伏見稲荷大社の参拝時間
伏見稲荷大社では 24 時間いつでも参拝することができます。ただし境内の駐車場は午後10時から翌朝の午前5時まで閉鎖されていますのでご注意ください。拝観料は必要ありません。
なお授与所は毎日午前8時30分から午後4時30分まで開所しています。またご祈祷の受付時間は毎日午前8時30分から午後4時30分までです。
楼門
第一鳥居から表参道を進むと第二鳥居の先に楼門(ろうもん)があります。楼門とは下層に屋根が無い二階建ての門のことで、伏見稲荷大社の楼門は国内でも最大級の大きさです。国の重要文化財に指定されています。
豊臣秀吉が母の大政所の病気平癒を祈願し、成就したお礼として楼門が再建されたと伝えられています。
門の左右には随身像(ずいじんぞう)が安置されています。随身とは宮廷の警護や貴人が外出がするときに警護を行っていた武官のことです。黒い服を着ている方が左大臣、赤い服を着ている方が右大臣です。
外拝殿
楼門をくぐった先にあるのが外拝殿(げはいでん)です。 1840 年に建立されたもので、当初は拝殿と呼ばれていました。伏見稲荷大社に 2 つある拝殿の一つで、外拝殿の先に内拝殿(ないはいでん)および本殿があります。
外拝殿では節分祭のときに豆まきが行われます。また稲荷祭では 5 基の神輿が外拝殿に並べられます。
外拝殿には 12 基の吊灯篭が吊るされています。この燈籠はそれぞれ黄道十二宮(こうどうじゅうにきゅう)を表しています。黄道十二宮とは黄道上の 12 星座のことで、それぞれの燈籠には星座を表す模様が描かれています。
外拝殿にあるすべての吊灯篭に関する情報は「伏見稲荷大社外拝殿の吊灯篭完全ガイド」をご覧ください。
内拝殿
外拝殿を回り込み、短い階段を上がったところが内拝殿(ないはいでん)です。内拝殿は唐破風(からはふ)屋根の建物です。(唐破風とは、中央部が凸型に丸みを帯びた屋根の形状のことです)。内拝殿は 1961 年に本殿のすぐ前に建立されました。現在は参拝者は内拝殿からお祈りを行います。
本殿
本殿は内拝殿の奥にあります。 1468 年の焼失のあと、現在の建物は 1499 年に再建されました。国の重要文化財に指定されています。次の写真は側面から本殿を見たところです。本殿の前(写真では右側)に内拝殿があります。
千本鳥居
本殿左側の階段を上がり参道を進んでいくと、参道沿いに鳥居が並んでいます。これらの鳥居は参拝者が奉納されたもので、鳥居には奉納された方の名前や会社名が記載されています。
しばらく進むと千本鳥居(せんぼんとりい)が見えてきます。千本鳥居では鳥居が隙間なく立ち並んでおり、幻想的な光景を作り出しています。なお千本鳥居に建てられている鳥居の本数は、約800基と言われています。
千本鳥居では右と左にそれぞれ通路があり、右側を通ります。反対側から戻ってくる人が、左側の通路を通って来ます。下記は反対側の入り口の写真です。
なお行きの通路は必ず千本鳥居を通るため非常に混雑しています。入口付近も写真を撮る人がたくさんいます。ただ千本鳥居を通ったあとで山頂方向へ行く人は別のルートを通って本殿の方に戻るため、千本鳥居の帰りの通路は比較的空いていることが多いです。もし千本鳥居の中で写真を撮られたい場合は、帰りの通路の方がおすすめです。
外側から千本鳥居を見てみると、隙間なく鳥居が建てられていることが分かります。
奥社奉拝所
千本鳥居を抜けたところにあるのが奥社奉拝所(おくしゃほうはいしょ)です。奥の院とも呼ばれています。本殿から奥社奉拝所までは15分程度です。奥社奉拝所は稲荷山に鎮座する稲荷大神(いなりおおかみ)を遥拝(ようはい)するところです。(遥拝とは遠くへだたった所から拝むことです)。
奥社奉拝所の裏側にまわると稲荷大神の鳥居があります。
奥社奉拝所のすぐ横には飲み物などを販売している茶屋があります。またこの先山頂へ向かわれる場合は、途中にいくつか同じように茶屋があります。
おもかる石
奥社奉拝所の右奥におもかる石とよばれる石灯篭(いしどうろう)があります。願い事を思い浮かべながらこの石の頭の部分を持ちあげてみてください。思っていたよりも軽く感じた場合は願い事が叶うと言われています。
熊鷹社&新池
奥社奉拝所から千本鳥居を通って引き返される方も多いですが、時間がある場合は山頂までお参りすることもできます。山頂まで行かれる場合は次の写真にある鳥居の先へ進んでください。
しばらく歩いて行くと伏見稲荷大社の末社である熊鷹社(くまたかしゃ)に到着します。奥社奉拝所から熊鷹社までは 15 分ほどです。熊鷹大神に願い事や頼み事をされる場合は、熊鷹社のすぐにあるお店でローソクを購入しお供えされてからお願いされてみてください。
なお熊鷹社のすぐ横には新池(しんいけ)があります。この池は谺ヶ池(こだまがいけ)とも呼ばれており、熊鷹社で願いごとをされたあとに池のほとりで手を二回叩くと、幸運を示す方向からこだまが返ってくると言い伝えられています。また探したい人がいる場合も、こだまが返ってきた方向に手がかりがあるそうです。
四ツ辻の展望台
熊鷹社を通り過ぎてさらに進むと三ツ辻というところに出ます。さらに山頂へ向かう場合は右へ、本殿の方へ戻る場合は左へ進んでください。
しばらく進むと四ツ辻というところに出ます。この先に山頂までぐるっと回るための参道があります。
この四ツ辻は展望台のようになっており、京都市内を一望することができます。ベンチや茶屋もありますので、山頂へ向かわれる前に少し休憩されてください。
山頂から四ツ辻に戻ってきたときは、日が沈みかけていてとても綺麗な光景を見ることができました。
山頂(一ノ峰)
四ツ辻から山頂へ向かうには右回りのコースと左回りのコースがあります。今回は左回りで進み、帰りには右回りのコースを通って四ツ辻に戻ってきました。このようにぐるっと回って戻ってくる場合は、約 1 時間ほどかかります。右回りの方が近いので、時間がない場合には右回りで山頂へ行き、また同じルートで戻ってくると早く戻れます。
途中にある眼力社(がんりきしゃ)では狐が逆立ちした形の手水舎がありました。こちらでは目の病気の快復や、先見の明が付くといったご利益があるそうです。
さらに進むと道が 2 つに分かれています。山頂へ向かう場合は右へ進んでください。左へ進むと清瀧(きよたき)があります。今回はまず左へ進んで清瀧へ向かいました。
次のような場所に出たら、清瀧へ行く場合は左へ進んでください。ここで右へ進むと滝行の修行を行う場所である清明舎(せいめいしゃ)へと向かう上り坂になります。
さらにしばらく進むと清瀧社があります。清瀧はこの中にあります。参拝したときには流れ込む水が少なかったのか滝という感じではありませんでした。
元の場所まで戻り、今度は右へ進み山頂へ向かいます。山頂の直前はこれまでで一番の急な坂道が続きますので結構大変です。途中に茶屋もありますので、無理せずにゆっくりと登ってください。
山頂である一ノ峰(いちのみね)に到着しました。一ノ峰には上社神蹟(かみのやしろしんせき)があります。
神蹟地とは、もともと稲荷山の山中にあったお社の場所です。応仁の乱で焼失したあと再建されることがありませんでしたが、明治時代に社があった 7 つの場所が確定されそれぞれ親塚が建てられました。七神蹟と呼ばれています。
山頂からは反対のルートを通って四ツ辻まで戻り、そのあと本殿へ戻りました。山頂から四ツ辻までの間には、二ノ峰(にのみね)、間ノ峰(あいのみね)、三ノ峰(さんのみね)があります。二ノ峰には中社神蹟(なかのやしろしんせき)、間ノ峰には荷田社神蹟(かだのやしろしんせき)、三ノ峰には下社神蹟(しものやしろしんせき)がそれぞれあります。
伏見稲荷大社の狐の石像
伏見稲荷大社では多くの狐の石像があります。狐は稲荷大神(いなりおおかみ)のお使いです。この狐は実際に野山にいる狐ではなく、目に見えない透明な白狐(びゃっこ)です。また狐はそれぞれ何かを口にくわえています(くわえていない狐もあります)。この狐がくわえているものは「稲穂」「稲倉の鍵」「玉(宝珠)」「巻物」の 4 種類でそれぞれ稲荷大神にゆかりのあるものです。
伏見稲荷大社の狐の石像に関するより詳細な情報に関しては「伏見稲荷大社の狐の石像に関する完全ガイド」をご覧ください。
伏見稲荷大社の紅葉
伏見稲荷大社の紅葉は、例年 11 月中旬から 12 月上旬に見頃を迎えます。伏見稲荷大社は紅葉の名所というわけではありませんが、啼鳥菴(ていちょうあん)付近は紅葉がとても綺麗です。
伏見稲荷大社の紅葉に関するより詳細な情報に関しては「伏見稲荷大社の紅葉の見どころ完全ガイド」をご覧ください。
伏見稲荷大社に関する写真一覧
伏見稲荷大社に関する写真一覧は下記をご覧ください。
伏見稲荷大社の住所およびアクセス方法
伏見稲荷大社の住所
伏見稲荷大社の住所は「京都府京都市伏見区深草薮之内町68番地」です。
伏見稲荷大社へのアクセス方法
京都駅から伏見稲荷大社へのアクセス方法について解説します。最寄り駅は JR 稲荷駅か、京阪電車伏見稲荷駅です。
JR 稲荷駅を利用する場合:
JR奈良線
6 分
徒歩
すぐ
京阪電車伏見稲荷駅を利用する場合:
JR奈良線
3 分
京阪電車京阪本線
3 分
徒歩
5分
伏見稲荷大社の駐車場
伏見稲荷大社には無料の大型駐車場があります。駐車場の利用方法については「伏見稲荷大社の駐車場完全ガイド」をご覧ください。
伏見稲荷大社の近くにある観光スポット情報
伏見稲荷大社の近くには、他にもいくつかの観光スポットがあります:
東福寺
伏見稲荷大社からJR奈良線でほんの一駅先にある東福寺は、春の桜や秋の紅葉が美しい禅宗の寺院です。特に秋のもみじは壮観で、通天橋からの眺めは見逃せません。また、重要文化財にも指定されている伽藍も見どころの一つです。
酒蔵
伏見は良質な水が湧き出る地域として知られ、そのため古くから酒造りが盛んでした。月桂冠大倉記念館などの酒蔵では、製造過程を見学したり、酒の試飲ができます。伝統と歴史に触れる貴重な体験ができます。
伏見港公園
伏見稲荷大社から少し南に下ったところにある伏見港公園は、散歩やピクニックに最適な場所です。桜の時期には特に美しく、船から眺める景色も魅力的です。
伏見城跡公園
伏見城跡公園は、かつての城跡を公園として整備した場所です。桜の名所として知られており、春には花見客で賑わいます。また、公園内には茶室や日本庭園もあり、日本文化を満喫できます。
伏見稲荷大社に関するその他の情報
伏見稲荷大社に関するオフィシャルサイト:
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最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
( Written by Tatsuo Ikura )